本来なら子どもに愛情を注ぐはずの親が、子どもを否定したり、身体的・精神的に悪影響を与えるケースがあり、子どもにとって毒になる親として「毒親」と呼ばれています。
毒親育ちの多くが大人になって悩まされるのがアダルトチルドレンの症状。
繊細なHSP気質な上にアダルトチルドレンの症状があると、傷ついた時や疲れた時に「心の傷」が加わり、さらなるダメージとなることも‥。
思い当たる人は、ぜひ役立ててくださいね!
本記事は、自身もアダルトチルドレンを乗り越え、カウンセラーの資格を持つ2児のママさんのご協力を得て書きました。
HSP×アダルトチルドレンが生きづらい理由は?
はじめに、HSPとアダルトチルドレンについて簡単に説明します。
HSPとアダルトチルドレンの簡単な定義
HSPはさらに、以下の4種類に分類されます。
タイプ | 特性 | |
---|---|---|
HSP | 繊細 ・ 刺激を求めない ・ 内向的 | |
HSE | 繊細 ・刺激を求めない ・ 外向的 | |
HSS型HSP | 繊細 ・刺激を求める ・内向的 | |
HSS型HSE | 繊細 ・ 刺激を求める ・外向的 |
1人や少人数で過ごすことを好む内向的なタイプと、人との関わりや人からの注目を求める外交的なタイプに分けられます。
内向的なタイプをHSP、外交的なタイプをHSSと呼び、さらに「刺激を求めるタイプ」と「刺激を避けるタイプ」に分かれるなど、各々が個性豊かです。
HSP同様にアダルトチルドレンも以下の6つのタイプに分類されます。
タイプ | 特性 |
---|---|
ヒーロー | ・親の期待に答えるために勉強やスポーツで結果を出そうと頑張る ・一方で失敗や挫折をきっかけに心が折れやすい |
スケープゴート | ・問題行動を起こすことで家族の怒りや憎しみ矛先をすべて自分に向け、家庭内の問題を一人で背負う ・問題児扱いされやすいが、スケープゴートを引き受ける子どもは兄弟の中で一番優しい子だとも言われている |
ロストワン | ・被害を受けないように存在感を消し「居ない子」として一人で目立たないようにひっそりと生きようとする ・大人になってからも孤独を感じやすく、人との関係構築や自己主張が苦手 |
ケアテイカー | ・献身的に家族の世話をし、親の愚痴を聞いて献身的に相手を支えようとする ・自分のことを後回しにしてまで他者を優先する |
ピエロ | ・家庭内の殺伐とした空気を明るくしようと、ふざけたりひょうきんにふるまったりする ・過度に空気を読んだり相手の顔色を異常に気にしたりと、常にビクビクしている ・つらくても笑っていることが多く、自分の本当の気持ちと振る舞いのギャップに苦しむことも |
イネイブラー | ・ケアテイカーと同様、見返りを求めず家族の世話を焼く ・「アルコール依存症の家族のためにお酒を買ってくる」「ギャンブル癖のある相手にお金を渡す」など、相手をダメにする尽くし方が特徴 |
これらは代表例であり、中には一人の子どもが複数の役割を引き受けることも。程度や症状の表れ方には個人差があります。
機能不全家庭で生き延びるために、各々が役割を演じて頑張ってきた証拠ですね。
HSPとアダルトチルドレンの違い
HSPは比較的新しい概念で、生まれつきの個性として認識される傾向。
アダルトチルドレンは心理的課題として広く認知され、治療的アプローチが一般的です。
HSPは 創造性、共感力、直感力が高い。アダルトチルドレンは逆境を乗り越えた強さや、他者へのケア能力があります。
ポジティブな面に目を向けることが大切ですね。
HSP×アダルトチルドレンの特徴
相手の顔色を伺う
機能不全家庭(家庭内の本来の役割やコミュニケーションが破綻している)の親は「毒親」と呼ばれます。
身体的・精神的暴力やネグレクトといった目に見える問題だけではなく、過干渉や支配、コントロールなど家庭によってさまざま。
そのような環境で長年過ごすなかで親を怒らせないよう、気に入られようと顔色を伺う癖がついた場合、社会に出ても相手の顔色を異常なほどに気にします。
加えてHSPは、相手の些細な感情の変化にも敏感。必要以上のストレスを受けてしまい、人といるだけでエネルギーを吸い取られてしまう人も多いのではないでしょうか。
他人の感情に引っ張られる
「泣いている人がいると、その人以上の悲しみを感じて涙が出てくる」
「会社で叱られている人がいると、自分が叱られているわけではないのに恐怖で震えてしまう」
そのようなお悩みを抱えている人が多いです。
そうなってしまう要因は、HSPならではの共感力の強さから、相手の感情を自分ごとのように受け取りやすいため。
不機嫌な人や高圧的な人を見ると、自分の親と重なって萎縮してしまう…という人も多いですね。
相手に対して「NO」と言えない
アダルトチルドレンの多くは「NO」が言えず、理不尽な欲求に従ったり、ぞんざいな扱いを受け入れてしまったりするのも大きな特徴。
幼少期から親に逆らうことが許されなかった場合は、大人になっても家庭内の親子関係を社会の人間関係に反映させてしまいます。
加えて、人一倍考え込みやすいHSP気質も手伝って、
「断ったら相手が傷ついてしまう」
「わたしさえ我慢すれば、すべてが丸く収まる」
と、自己犠牲的な思考になりがちです。
自己肯定感や自尊心が低い
アダルトチルドレンは親からの暴言や否定の言葉で、必然的に自己肯定感や自尊心が低い状態。
過干渉・過保護の親であった場合も「自分で決められない」「自分で決めると間違ってしまう」という自信のなさにつながります。
成長過程において「ありのままの自分を親に受け入れてもらえた」という経験が欠如していると、自己肯定感や自尊心が育ちにくいです。
親からの言葉は良くも悪くも潜在意識に届いて「暗示」になります。否定の言葉をたくさんかけられて育った人は、時間をかけてネガティブな「洗脳」を解き、良い言葉で上書きしていきましょう。
時に自傷行為や依存に走ることも
HSP×アダルトチルドレンの場合、本来なら親からもらえるはずだった愛情や承認が欠如している状態。
心に空いた穴を埋めようと、過食や無駄な買い物、アルコールなどがやめられないケースも残念ながらあります。
しかし、食べ物もお酒も「親の愛情」ではないので、どんなに貪っても心は満たされません。
ひどい場合は自分の無力さや自己嫌悪、希死念慮から自傷行為に走ることもあり、その場合はかなり危険な状態なので専門機関の受診も検討してください。
対処法と自己ケア
HSPとアダルトチルドレンを併せ持つ生きづらさは、日常のちょっとした意識や工夫次第で少しずつ改善していけます。間違った思い込みは認知の歪みを少しずつ解き、自分らしく輝ける人生に塗り替えていきましょう。
相手との境界線を作る意識
他者のマイナスな感情に引っ張られそうな時は「自分と相手に境界線を作る」ことを意識してみてください。
セルフケアの重要性
アダルトチルドレンの要素を持つHSPにとって一番つらいのは、親からもらえなかった愛情や承認を「時間をかけて自分で満たさなければならない」ことです。
最初は身近なパートナーや友人に手伝ってもらってもいいのですが、いつもいつも「褒めて!」「認めて!」「愛して!」と相手に求め続けるとどんどん依存していくだけ。
どんどん欲求がエスカレートすれば、お互いに疲れて関係も破綻してしまいますよね。
意識していただきたいのは、自分のやりたかったことや望むこと(またはそれに近い疑似的なこと)を、あなた自身にプレゼントすること。
美味しいものを食べる、美容室でキレイになる、行きたい場所に旅行に行く…何でもOK。
まずは自分が好きなこと・欲しいものを自分に与えていくことから始めましょう。
「大人なのにぬいぐるみなんて…」と、抵抗を感じるかもしれませんが、ぬいぐるみがもたらす癒やしの効果は、うつ病や精神疾患のケアとしても用いられているれっきとしたなセラピー。
ぜひ試してみてください。
・動物やペットに触る
・自分の感情を飾らずにノートに書き殴る
・同じ立場の人がいるコミュニティで感情を吐き出す
できることに目を向けて自信をつけていく
例えば「ブロッコリーは嫌いだけど、マヨネーズをつけたら食べられる」というふうに「こうすればできる」ということが必ずあるはずです。
「自分はあれができない、これができない」と嘆くより、できることに目を向けてみましょう。
合言葉は「これならできる!」
その積み重ねで、少しずつ自分に自信をつけていってくださいね。
それでもつらいならカウンセリングの検討を
「どうしても辛い時、分かってくれる人に話を聞いて欲しい」
「傷ついた幼い頃の自分に優しく声をかけて欲しい」
そんな時は無理に一人で抱え込まず、カウンセリングを利用するのも1つの方法です。
まずは「最終的に自分はどうなりたいか」とゴールを決めておくと、より回復が早くなります。
カウンセラーの選び方は、以下表を参考にしてください。
まとめ
HSP×アダルトチルドレンの重複によって、生きづらさを抱えている人が多いです。
まずはつらい思いをしてきた自分を認めて、自分を褒めてあげること。これまで家族や他人のために頑張ってきたあなただからこそ、これからは幸せになってくださいね。
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